Will動物病院グループ

日本の野生動物2

前回からのつづきになります。
前回は、盆帰りで食べるのを楽しみにしていたトウモロコシがハクビシンの襲撃を受け全滅。
実は月の輪熊を除く大型の野生動物は著しい勢いで増えているというお話をしました。

野生動物に関係する活動はどの様な進展を見せているのかと言えば、環境保全派、稀少種保護派、アカデミック派、傷病動物何でも助けたい派に大別されます。大学における学問としての野生動物の講座、研究室は数は少ないながらも人気があります。

野生動物問題のキーワードとして、以下の5項目を選んでみました。

1、野生生物は減少しているが、中・大型哺乳類は増加している。
2、日本固有種である月の輪熊は九州ではおそらく絶命。四国、中国地方でも繁殖が難しい個体数になろうとしている。
3、野生動物との「共生」から「折り合いをつけた関係へ」
4、人口減少により野生生物の世界に戻っていく日本の自然。
5、人口増加により絶滅に向かう世界の野生生物。

日本の野生動物(生物)との関係を考えるために残された時間

私たちは大型の野生動物に対して本質的に恐怖心を持つようにプログラムされています。その一方で「種の多様性」や「絶滅危惧種」という言葉に敏感に反応します。そして世界と日本では野生動物達が抱えている問題が違うことも認識しています。
日本人の減少は2040年頃まで続くと推定されています。その頃には多くの里山が野生動物の世界に戻っているでしょう。その自然は私たちにとっては楽しい環境ではありません。公園のように整備されることがないからです。
しかし、人口減少が続く期間が我々と野生動物・自然との関わりを考え、規律を作る時間になります。教育を柱らとした自然環境に対する共通の価値観形成の時間です。

文責 千葉 剛