Will動物病院グループ

日本の野生動物 1

例年、お盆期間は田舎で過ごします。一応午前中は病院に顔を出しますが、後は食べてばかりの3日間となります。
ちょっとお高いレストランより畑で美味しく育った野菜や果物は最高~ です。
ところが、今年はトウモロコシ食べれませんでした。ハクビシンが全部たべてしまったのです。あのタヌキみたいな姿形した。額から鼻のラインが白ヤツです。
前々から野生動物によって私の家の畑は襲われていたのですが、ついに私が食べる前にトミギ(私の田舎ではトウモロコシはこう言います)全部食べられてしまったわけです。
宮城県内にハクビシンが出没しだして20年、遂にX-Dayが来てしまいました。スイカは無事でしたので、スイカばかり食べてました。
里山と呼ばれる日本の田舎は今、野生動物の宝庫です。繁殖条件が厳しい稀少種や行政が積極的に駆除している動物を除けば相当数増えています。特にサル、イノシン、日本鹿の増加には著しいものがあります。
ひと昔前までは、人間の活動で犠牲になる可哀想な野生動物達という図式がありました。身勝手な人間、一方的被害者としての野生動物というヤツです。
ところが攻守逆転です。月の輪熊を除けば大型の野生動物による攻勢 だけが目立ちます。そして鳥インフルエンザです。
鳥インフルで通常の免疫状態の日本人が亡くなるなんて事はありません。あくまで鳥インフルは産卵鶏にとって致命的な病気なのです。この点が重要になります。もし仮に日本中の産卵鶏が亡くなってしまいスパーの店頭からタマゴが消えてしまうなんて事になればパニックです。
かって野生動物は宇宙船地球号の乗船クルーとして人間と同じ目線で見られていました。

そして現在。稀少種や経済的に有効なコウノトリや朱鷺などを除けば厄介者になろうとしている現実があります。

文責 千葉 剛