Will動物病院グループ

西洋合理主義

福沢諭吉が二代塾長になる小泉信吉が渡英する折に贈った書に『彼の国に行きて…』で始まる文章があります。
彼の国=イギリスに行って、わが国の良さを観てきなさい的な文章です。
和魂洋才の原型みたいな内容です。
和魂に対する言葉は西洋合理主義になると思います。
随分前になります。アメリカの動物用シェルターが話題になり始めた頃、セミナーで隣に座ったアメリカの獣医さんに片言英語で内容を聞いたことがあります。
譲渡する子猫の話になった時。
『生後2カ月にはもう避妊手術をする。』となったので、『そんなに早く』と言ったら、彼曰わく『日本の獣医師はそのサイズでは手術ができないのか?』との返答。
『サイズ問題ではなくて、そんなに小さい頃に手術は可哀想じゃないか、手先は我々の方が器用だ。』
彼の回答は、
『どうして彼らがシェルターにいるのか?、シェルターからまた問題が出たらシェルターの意味がなくなる。だから飼い主に渡す時点では避妊手術済みなんだ。』という内容でした。
確かに正しいのです。正しいのですが、どこか「?」なのです。

文責 千葉 剛