Will動物病院グループ

隠れ膀胱炎

家猫達の健康上の脅威は腫瘍に内臓疾患。肝炎や膵炎、慢性腎炎、結石による排尿障害、そして生活習慣病です。
腫瘍(癌)や生活習慣病(糖尿病)は人と同じですが、慢性腎炎や結石による排尿障害は猫達特有です。
元々猫族は少飲・少尿のライフスタイル。この為、膀胱炎になりやすく、手術時の検査で膀胱炎や膀胱結石が見つかることはよくあります。
細菌性膀胱炎になっても自力(自己免疫)で治していることも多いのでしょう。
怖いのはこの隠れ膀胱炎から腎炎に進行する症例です。
急性の腎炎は劇的な症状を示します。発熱・食欲(↓↓)・元気(↓↓)などです。出来るだけ早い病状で治療すれば回復はします。
しかし、ダメージを受けた腎臓は回復出来ません。それでも若いうちなら残存している健康な腎組織が増大して機能を賄ってくれるのですが、中年を過ぎるとダメージだけ蓄積していき慢性腎不全に移行してしまいます。
腎機能を調べる最高の手段は『尿』そのもの検査になります。
尿の検査ペーパーはあらゆる情報を提供してくれます。
8歳を過ぎた家猫達は2カ月毎または、体調不良が認められたら尿検査をしてみることが大切になります。

文責 千葉 剛