Will動物病院グループ

命の重さ2

前回と同じ内容です。少しでも格好良いことを書きますと、昔から来てくださってる飼い主さんに、「おいおい、あなたちょっと違うでしょう」と言われてしまいますので、続きを書きます。
確かに、ちょっと違うでしょうは正しい意見です。その通りです。そんな格好いい獣医で、あるわけがありませんので、続きは、私が知っている範囲での命の重さを知っている人達の話です。
医療と名の付く現場と一般社会では、ある意味価値観が逆転している時があります。手を差し伸べる・手をかける順番が逆になることがあるのです。仕事で利益が出ない、効率の悪い事に一生懸命になっていては上司に叱られます。
医療の現場では、助かる見込みの無い人であっても全力で立ち向かいます。緊急災害現場を除き、トリアージは実施しません。ましてや、動物病院ではトリアージ自体ありません。結果、死んでしまうと分かっている患者さんにも、一生懸命時間を使います。 スタッフの労働時間は決まっていますし、動物病院にも労働基準局はきますので、各人が働く時間には明確な制限があります。体力にも制限があります。その中であれも、これもしなければならない状況が発生します。
結果、過重労働になり、みんな疲れ、判断ミス、うっかりが起こります。現場で起こる問題の何割かは、この頑張りが原因になっています。
能力の高い、キャパの大きい人達と仕事が出来れば、問題は少なくて済むのかも知れませんが、そんな人達は自分のキャリアアップの為に、長居はしてくれません。レベルアップの為に職場を代えていきます。高収入を目指します。
そんな現実に出会う時、明るく「諸行無常、諸行無常」と 唱えています。

文責 千葉 剛