Will動物病院グループ

動物病院の現状1

テレビなどで、『手術の成功率が何%』なんて話が昔ありましたが、ホントに医療の世界ではそんな話が、交わされていたのでしょうか? 基本、病気をしないし、病院にも行かない私には???の世界なのですが、私の職場でもたまに質問されます。
『先生、手術の成功率はどれくらいですか?』
この質問と、初めて麻酔をかける動物の麻酔リスクへの回答は大変です。
まず手術には、難しい手術と簡単な手術の区別は無くて、『慣れてる手術と慣れてない手術しかないんだ。』ということを一生懸命お話をします。ここで問題が発生します。時代に流行があるように、動物達にも流行がありますので、必要な手術は日々刻々変化します。実は、動物種によって病気・外科は大きく変わります。また、検査精度も日々向上しますので、これまで分からなかった病気もわかってきます。その中には、やはり外科対応の物もあります。これらにどう対応するのか?となります。慣れていない手術の出現です。選択肢は二つになります。その地区で、外科一番といわれる獣医師・市民の皆さんが、認識している動物病院に紹介する。 あとは大学・その外科の専門病院に紹介する。
でも、それだと開業獣医の技術は一向に向上しないことになります。
麻酔リスクへの質問は明快です。
最初にお酒(アルコール)の話をします。大変個人差があるものです。次に、アルコールが化学物質であること、麻酔も化学物質なので個人差が大きいことをお話して、麻酔導入時に異常があるようなら直ぐに中止することをお話し、飼い主に、『麻酔はかけてみないと分からないのですね』と言っていただければ完了です。ただし、実際の麻酔事故はこの理屈の範疇には入りません。これはあくまでも手術前の説明の話です。現場(手術室)は、皆様から和気あいあいに見えても殺気立っているのです。

文責 千葉 剛