Will動物病院グループ

電話交換手を覚えていますか?

今から五十年前の、電話は電話交換手という方が電話局に居て、ジャック式の配電盤で直接電話を繋いでくれるシステムでした。非常にアナログな方法ですが、全てが人でつながっていた時代です。向こう三軒両隣という言葉があります。昔は、近隣の人同士が今以上に仲良かったとは言いませんが、近隣無しでは日常生活が成り立たない時代でした。
その頃の動物病院が、どんなもんだったかを私は知りません。牛を診てくれる獣医さんは知っていましたが、田舎育ちで犬猫を診る獣医さんの、存在そのものを知りませんでした。

犬猫病院の獣医さんを、身近に感じたのは獣医大学の受験を意識した頃だったと思います。そんな、田舎者の私にとって犬猫を診る獣医さんとは、学生時代に読んだ『Drヘリオットシリーズ』に登場するヘリオット先生でした。
イギリスの、片田舎の開業医ヘリオット先生は牛も診れば犬猫も診察する普通の獣医さんです。獣医さんイコール牛豚の先生の経験しかない、田舎者の私にはヘリオットの日常生活こそが獣医さんのイメージになっていました。
将来は、こんな生活を送るんだろうな~という漠然とした思いがありました。あれから多くの時が流れ、人と人を繋ぐのは携帯からスマホ、SNSになりました。繋がりやすくなった分、人との関係が希薄になってしまったようです。スマホで会話も良いけど、もっと直接会って話すことが大切な時代になってしまったようです。

文責 千葉 剛