Will動物病院グループ

客観的に診察を見てみて。

稀にですが手術依頼があり他院へお邪魔することがあります。
同業者の職場を覗くことは基本ないのですが、この時ばかりは獣医さんと飼い主さんのやり取りが聞こえてきます。

どうやら、吐き気が主訴のようです。
4歳のオスわんこ。今週になってから、1日1回は必ず吐くようです。食欲はあるし、吐物は液体(胃酸)なので様子を見ていたのですが、心配になって来院とのこと。
担当の先生、一通り聴診・触診して『胃酸過多になっていますね。食欲も安定してるようですし、様子見てていいですよ。』あれ!? ガスターくらい出してあげればいいのに。処方なしですか!! 件の飼い主さん『大丈夫なんですね。野菜でもあげてみます。』
おー凄い飼い主さんだ。

次の患者さんは、後ろ足のびっこのようです。今日ベッドから飛び降りてからと原因は明確のようです。
先生、触診をして『膝も股関節も問題ありません。骨も折れてません。折れたり・ひびが入っていると触らせてくれないんです。』『レントゲンも必要ありません。痛み止め出しておきます。』
飼い主さん『折れてないんだ。良かった。』
先ほどの患者さんは再診療だけだし、この患者さんは薬代だけ。この病院どうやって経営してるんだ。
飼い主さんも凄い、普通は検査しないと不平・不満がでるのに。
ここ数年、勉強会に行くと講師の先生、特に大学の先生方が異口同音に最近の動物病院の診療費が高いとおっしゃいます。
例えば、最初の患者さん。『心配ですから、血液検査しておきましょう。せっかくですから健康診断も兼ねて調べてみますね。』となれば、会計は¥5000~10000にはなるのではないでしょうか。
また、ある程度の幅で検査をしないと安心出来ない飼い主さんもいます。結果、診察料金は高くなる傾向があります。動物病院の適正料金は難しい。

文責 千葉 剛