Will動物病院グループ

新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。獣医師の千葉です。
今年の干支は戌ですね。ここ数年猫の方が人気が高く、猫を飼い始める病院スタッフも随分増えたものです。
犬も好きな私としては、犬の魅力が再認識される1年であってほしいです。

さて、私がこのコーナーで最後にお話した「AIと動物病院の未来像」について内容を覚えていらっしゃいますでしょうか?
あれからAIは囲碁の世界では大暴れするし、近未来に人間の仕事を大幅に奪うなどと騒がれるに至りました。しかし私は「そこまでやるのか?」というのが実感です。
基本は機械ですから人間がプログラミングをするわけで、すべてを想定してデータの入力ができるわけではありません。ディープラーニングといっても試行錯誤を光速で行うだけで、信じ過ぎれば大事故に繋がる可能性は請け合いです。
区切り区切りで人の判断が必要となるでしょう。これがパソコン同士の付き合いなら同じ機械同士ですので、ある程度まではいけるかもしれませんが、多様性を有する「人間の発想」にどこまで近づけるのかはわかりません。

AIとの付き合いでキーワードとなるのが、この「多様性」という言葉です。
中国始皇帝陵にある兵馬俑の兵士たちは皆、異なる出で立ちで埋葬されています。それは服装や髪形で出身地が分かれていたため、それがそのままアイデンティティとして認識されていたのでしょう。秦の時代、すでに個の識別がなされていたことがわかります。
AIが人型ロボットとして我々の仕事を行うかどうかは別として、結局はスマートフォンをアプリで自分用にカスタマイズしているように、AIもカスタマイズをし仕事の相棒として生活を共にしていくのでしょう。私たちがどのような多様性を備えてあげることができるのかが、AIが人間と上手く付き合えるかどうかの鍵となります。どこまでも私たちの想いなのです。

ただし、さまざまな価値観を身に付けていない人たちにとってAIは脅威になりえます。ダブルスタンダード・トリプルスタンダードといわれますが、さまざまね価値観(多様性)を持っている人たちは新たな基準にも即対応が可能ですが、そうではない端的に言えば偏差値のみのエリートは失業するかもしれません。
どこまでいっても人類は適者生存なのです。

文責:千葉 剛