Will動物病院グループ

無くならないフィラリア症

犬のフィラリア症は、蚊が媒介(運ぶ)する寄生虫病です。学生時代からの付き合いですので、かれこれ35年を越える付き合いになります。
当時=私の学生時代、既にフィラリア症の知識は、現行と変わらないレベルに達していました。研究の中心には、日本獣医畜産大学(現日本獣医生命科学大学)の黒川和雄先生がいらっしゃいました。
そんな昔の、病気のはずのフィラリア症が、なかなか無くなりません。予報シーズン開始早々、ご近所からフィラリア症感染犬が来ました。この患者さんは、昨年のみ予防薬を飲まないだけでの感染ですので、この方の近隣には重度感染の犬達が居ることが予想されます。
その重症犬を治療しない限り、地域としてのフィラリア撲滅は難しいのが現状です。
病気根絶の歴史は寄生虫病から始まります。日本も、昭和33年に国民健康保険制度が出来た時点で、最初に取り組んだのが、島礁に蔓延していた『人のフィラリア症』の撲滅でした。昭和42年頃に、撲滅されたと記憶しています。動物病院はまだまだのようです。犬フィラリア症は、今でも全国平均では3割以上の感染があります。

文責 千葉 剛