最近は、診察室で昔話をするようにしています。昔と言ってもつい20~30年前の話がほとんどです。時には昭和30年代、動物病院の黎明期の話をする事もあります。そうなると私自身が経験したことではありません。先輩方から聞いた話をそのままする訳ですが内容は何時しか『Always3丁目の夕日・動物病院ver.』になっています。何事にも歴史があります。その延長上に今、そして未来があることを理解してもらいたいのですが、話が脱線してしまう事もしばしばです。
実は大学卒業後、サラリーマンをしていた事があります。食検(食肉衛生検査所)と保健所です。名称は違いますが、勤務する獣医は転勤で行ったり来たりしていますので、気質は同じです。
ただ、保健所は他業種の方が多いので獣医と言えども大人しくしていたようでした。
食検は獣医と管理の事務屋さんがいるだけですので、獣医の天下です。お金を使うだけの公務員にあって、検査手数料というお金を稼ぐ業務でしたので、自由度が高く結構デタラメな方もいらっしゃいました。真面目な公務員社会において、獣医師とは違うと言う気風があったのでしょう。その頃の方々は、既に退職されているか鬼籍に入ってらっしゃいます。懐かしく、少し怖い先輩方です。
文責 千葉 剛