Will動物病院グループ

リボンの気持ち

 4月になりました。この時期の病院は外来が多くバタバタした雰囲気になります。
 そう・・4月はワンちゃんの狂犬病、フィラリア、ノミ・ダニ予防の時期なのです。
 猫ちゃんを飼っている飼い主さんは、待ち合いがワンちゃんだらけになるので凄い一杯いますねとおっしゃる方がたくさんいます。猫ちゃんは年に一回のワクチンがメインになる為、集まれーって時期がないんです。

 普段病院に来ない子もたくさん来ます。お家のワンちゃんの健康、予防の為に飼い主さんが頑張って連れてきてくれます。でも中にはたくさんのワンちゃんに囲まれるのが苦手な子や、知らない人や場所にビクビクしてしまう子もいて、飼い主さんの近くでは我慢できても、可愛くて撫でてあげようと手を出したりしたら怖がって噛んでしまいそうになる子もいるんです。

 連れて来た飼い主さんが悪いのでしょうか?
 噛んでしまうその子が悪いのでしょうか?
 手を出した人が悪いのでしょうか?
 いえ、相手に嫌な思いをさせたかったとは思えないのです。

 皆さんはイエロードッグプロジェクトというのをご存知でしょうか?
 リードに黄色いリボンやバンダナを付ける事で、他の人や犬が近くに来ると過敏に反応してしまうのでそっとしておいて欲しいという目印にしようという活動です。この活動はスウェーデンで始まったもので、アメリカ、オーストラリア、カナダなどたくさんの国々に広まっています。残念ながら日本ではまだあまり知られていません。みんながそのリボンに込められた気持ちを知りそっとしてあげる事でワンちゃんに余計な緊張やストレスをかけないであげれたら・・
 皆さんにもっと知って欲しいプロジェクトです。そして、どうしても過敏に反応してしまう子の飼い主様は試しにリボンを付けてみて欲しいです。
 そっと見守っておいてあげましょう。

文責 三浦 健