Will動物病院グループ

フィラリア予防について

今年もフィラリア予防の季節がやってきました。

フィラリア症は蚊の媒介で感染し、心臓や肺動脈にフィラリアが寄生することで様々な障害が起き、放置すると命を脅かす恐ろしい病気です。
最近ではネットの普及や広告などのおかげもあり、しっかり予防してくれる飼い主さんが増えてはいますが、まだまだ予防率は低いのが現状です。

ウチの子は外に出ないから大丈夫と予防をしない方もいますが、他のわんちゃんと接触がなくても蚊に刺されてしまう状況であれば感染するリスクはゼロではありません。
実際室内飼いの小型犬での感染例を稀にみかけます。

そして意外と知られていないのが猫もフィラリアにかかることがあるという事です。猫ちゃんの飼い主さんも他人事ではありません。
猫は犬に比べて寄生数が少なく症状も乏しいため診断が難しく発見が困難です。
当院でも少し前に一件フィラリア疑いの猫ちゃんを診断しましたが、その後来院せずおそらく亡くなってしまったと思われます。
診断や治療が難しい猫のフィラリア症ですが、犬と同じように毎月予防薬を投与することで感染から身を守ることができます。

予防期間については地域によって多少異なりますが、当院では4月から11月末までの予防を推奨しています。
予防期間を自己流で短くしてしまう方や、去年の残りを次の年に検査する前に与えてしまう方がいらっしゃいますが、これは非常に危険です。
もし予防をすり抜けてフィラリアにかかってしまっている状態で駆虫薬を投与してしまうと、犬がショック症状を起こし死亡する場合があります。
フィラリア予防を安全に行うために投薬前に血液検査を行いましょう。
その際、余った血液で一緒に内臓の検査も行うことで健康診断をすることも可能です。
最近では健康診断の精度も良くなっており、この春の健康診断で病気の早期発見をすることが増えてきています。

予防薬の種類も最近では様々なタイプが出ており、おやつタイプ、注射、スポット剤などライフスタイルに合わせて選ぶことができますので是非病院にご相談ください。

文責 山崎 聡